日本のNPOはなぜ不幸なのか?―「社会をよくする」が報われない構造を解く

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日本のNPOはなぜ不幸なのか?―「社会をよくする」が報われない構造を解く

日本のNPOはなぜ不幸なのか?―「社会をよくする」が報われない構造を解く

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市村 浩一郎 | ダイヤモンド社 | 2008-09-20


3点:¥ 1,330より 詳細


総合評価:星4つ

星4つ 政治家の著書なだけに、希望が持てる。
 著者は本書でNPO法人のことをあえてNPO法人と呼ばず、「特活法人」と記してい
る。

 現在の法制度の問題点が「特定」と「非営利」という言葉にあるからだ。つまり、
行政が定めたなんらかの活動の種類に合致しないとNPOとして認証されないこと。
 非営利という言葉が「営利事業をしてはいけない」という誤解を生みやすいという
ことだ。

 他にもさまざまな問題点が本書では指摘されている。 
 準則主義ではなく、設立に官庁の細かいチェックが入る「許可主義」であるという
点。これは「公を担うのは官がメインで、あくまでもNPOはその補完的存在」などという
官の傲慢さが見て取れる。

 また、日本のNPOで働いている人の収入はやはり厳しいようだ。多くても20万円前後で
ボーナスなどもない。これでは若い人材などを集めるのは難しいだろう。

 NPOが補助金や税金に頼る危険さも指摘されている。また補助金等に頼らざるを得ない
のは寄付優遇制度が確立されていないためであり、それを促す法制度の提案もある。

 本書は一般向けの啓蒙書であるため、制度の部分についてそこまで深く記述されている
わけではない。その点は不満であったが、実際に現場でインタビューした記述や実名で団
体名が載っていて参考になる部分が多かった。議員がそのような本を書き、しかも安価で
出版したことに感謝したい。

 公益法人制度改革など抜本的改革とはいかないものの、日本にもNPOが根付きつつある。
本書ではそれら最新の動きにも触れられている。難しい本を手にする前に、まずは本書を
購入されてみてはいかがだろうか。


星5つ NPOが日本を変える
筆者の論点は明解である。今の日本のNPOはまだまだ発展途上だと。その原因は、特定非営利活動法人法がいあゆるNPO法と言われるようになってしまう不幸から始まっていると。
この状態を、なんとかしないと、日本のNPOは幸せになれない。
とにかく、NPOへの寄付についての税制を確立することが重要であるという筆者の主張には大いに共感する。
政治家が書いた本にありがちな宣伝臭はなく、まじめな筆者の人柄が伝わってくる。


星5つ 寄付の税額控除で社会の三権分立を実現したい!
本書で主張されている「社会の三権分立」=行政セクター(公的部門)、営利企業セクター(私的部門)、NPOセクター(非営利部門)の確立は21世紀に日本が発展していく上で大変重要な政策提起だと思います。現在主流の「官の公」から「民の公」への流れを作る上でNPOセクターが果たすべき重要な役割を訴えているところは大変共感できるものです。現在「特定非営利活動促進法」によって「特定非営利活動法人」(いわゆるNPO法人だが、著者はこの法律が不十分なのでこの法律に沿って作られたを「NPO法人」と呼ばないと述べている)がたくさん作られているが、この法律の不備によって社会の三権分立が形成されていないと述べておられます。宝塚市の特定非営利活動法人を中心に成功した例、なかなか難しい例を具体的に実名入りで記述されており、その多くが直接のインタビューによるものなので、現場で動いておられる当事者の意見に基づいて書かれており、臨場感と生々しい声が伝わって参ります。さらに、このような地道な調査に裏付けられ、真のNPO制度実現のために税制改革をも含めた私案が提示されています。その中でも、個人が新公益法人への寄付を10万円を限度に税額控除(所得控除ではなく)を受けるという画期的な提案をしておられます。これは大変重要な提案であり、市民が自分の支払う税金に一定の裁量を持つという意味で、まさに日本を変えていく起爆剤になるように思います。1点だけ疑問。もしこの提案が実現されれば、国税納税者の1割が上限いっぱいの10万円を寄付し、6000億円がNPOに流れる!と予測されておられますが、これは楽観的すぎると思います。現実的には、国税納税者の1%が試しに1万円をNPOに寄付するというところではないでしょうか。それでも60億円のお金がNPOに流れます。お勧めの一冊です。




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