まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか
まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか
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ナシーム・ニコラス・タレブ | ダイヤモンド社 | 2008-02-01
9点:¥ 1,590より 詳細

総合評価:
よくぞ書いてくれました。
あまり期待せずに読んだが、見事にひっくり返された。
面白い本です。
題名通り「まぐれ」がいかに多い、もしくは全てかをこれでもかという位に例証を挙げてくれます。
一定の評価があるものにもボロクソです。
個人的には「となりの億万長者」がケチョンケチョンに書かれてたのが良かったです。この本好きなんですけど。ヘーゲルもこき下ろされっぱなし。
読んで損は無い本です。いや読むべき本です。
訳も秀逸。原文の雅趣をよく保っている。皮肉やジョーク、引用がよく効いてる。
巻末の索引も親切。
金融版「無知の知」のススメ
我々の感情が、どれほどリスクや損失への認知や判断を歪めるか、心理学(行動ファイナンス)や統計学を踏まえて語られます。人間である以上、間違いは免れない(だからストップロス等のポジション管理は先にしておくべき)。また、現実の世界は正規分布でとらえられるほど素直でない(サンプルの問題などで)、と。
著者の古典と哲学の教養ゆえに私には多少読みにくい部分もありましたが、「MBAほど吹き飛びやすい」「LTCMの失敗は、彼らノーベル賞学者たちが自分の喋っている問題を全く理解していないか、宇宙の歴史数回分に一回の事象であったかのどちらかだ」などおもしろい話が多数。ジム・ロジャース(批判される方)やジョージ・ソロス(賞賛される方)なども出てきて飽きさせません。
本質は、誠実で健全な科学の本だと思います。一方で、株や為替をトレードする上で示唆になる面もあり(第5章に悪い例掲載)、実務・実戦への適用もしやすい内容です。
副作用として「どうせ偶然が物事を支配するのなら・・」と虚無感に襲われるかもしれません。私はそれを株式投資の新しい考え方―行動ファイナンスを超えてで中和しました。
過信が導く失敗
書中のソロンの言葉、「終わるまでは終わりではない」がとても印象的。
今、成功しているからといってそれが永遠に続くとは思わないこと、
過去の成功を自分の力と過信してしまうことが、大きな失敗につながる。
よく投資をする際にも「自分は特別で損はしない」「これまでの成功を
パターン化して実行すれば安心」という精神状態に陥りやすいが、
改めて投資の難しさを痛感させられる一冊。
具体例が多く、わかりやすい。
ランダムな世界に事後評価は無意味
著者はウォール街の投資家なので、本書は投資関係のものとも読めるが、実際は人生論的な要素もふんだんに散りばめられた、小さな枠にとらわれない著作である。統計や確率論などに精通した読者が特に新しい事を学べる分けではないが、多彩な好奇心に彩られた読書歴を持つ著者が、社会における様々な現象がいかにランダム的要素に影響される事が多いかなどを雄弁に、歴史、科学、哲学、数学、心理学など様々な角度から醸し出す。好奇心を刺激してくれる大変な良書だ。
市場の動きなど、特にランダムな要素が大きい世界で陽の目を見る成功者の殆どは、生存バイアスの結果であるとの指摘や、株式投資などにおいてノイズとシグナルの区別を付ける能力の無いジャーナリストなどによる報道に惑わされることの愚かしさなど、的確に示唆を与える。ただ、モンテカルロが何を意味するか全く分からないような読者にまで説得力がある説明が細かくなされているかといえば、必ずしもそうは思わない。そのような読者は、運の女神も、結局は準備万端な人間を報いる事が多いという、著者の前書きの言葉を肝に命じておくべきだろう。そして、著者自身はサブプライム後もかなり儲けたらしいが、どのような戦略をもって資産を運用しているなどの具体的なヒントは書いていない。ズルいな(笑)。
理系の素養がある読者にとっては、主張自体もっともであり、特別に啓発されることもないと思うが、こじつけの事後評価ばかり重要視される現実世界に生かざるをえない現代人としては、雑音に惑わされず、運命の流れと割り切ることの大切さを思いださせてくれる面白い本である。
(原著2版へのレビュー)
うーん、難解な本。
難解な本ですね。なかなか読みこなせなかった。いつかまた、挑戦したいとは思うんですが。
トレーダーに限らず、人は(もちろん自分を含めて)成功すると自分の功績と思いたがり、
失敗すると外部環境のせいだと思い安い。確かに思い当たる節があります。
この本を読んでモノの見方、捉え方が多少違ってきたかなというのが収穫ですかね。
でも、なかなか意味の捉えにくい箇所があり、読むのに苦労した本でした。
[書評][ファイナンス]まぐれ
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