大暴落1929 (日経BPクラシックス)
大暴落1929 (日経BPクラシックス)
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ジョン・K・ガルブレイス | 日経BP社 | 2008-09-25
7点:¥ 1,900より 詳細

総合評価:
「私は予測は一切しない。この現象は、何度となく繰り返されてきただけだ。」
本書は、1955年代に出版されたあの世界大恐慌を記録したガルブレイスの名作の再出版である。
本書に出てくる当時の動きは、まるで現在のアメリカを見ているかのようである。レバレッジによって加速度的に上昇していった株価と、その後の大暴落。
歴史に学んでいるはずの人類は、ほとんど学んでいないのではないかと考えさせられる。
サブプライム問題に端を発した現在の金融危機。ビッグスリーへの支援も迷走し、世界恐慌に突入する気配が濃厚になっているときに本書が出版された意味は大きい。
本書の序で、著者はこう述べている。「私は予測は一切しない。この現象は、何度となく繰り返されてきただけだ。」
ニュースに踊らされる投資家たちは、80年前も同じですね。
08年9月より本格的に米国市場が「100年に一度??」の暴落をつけました。
まずそもそも、米国人は、出来る事なら、一攫千金で一山当てたいという
連中、もとい方々が他国と比較して非常に多いということを頭に入れておくべし。
1920年代、日本の原野商法同然のやり方でフロリダで土地取引が行なわれ
バブルが弾けたり・・・など興味を引きつける書き方になっています。
また、大恐慌で、街の靴磨きの少年までが株に手を出していて
これで天井と察知した○○氏が、売り抜けたといった逸話がありますが
これはどうもマユツバらしい。理由は、当時の、普通の庶民達は
株なんぞに手を出さなかった方が大半。
また、大恐慌で自殺者が多数出たというのも、これまたオーバートーク。
○月○日に○○円をつけた・・・と記述があるので
実際に値段を帳面に付けてグラフを付けてみると、実に興味深い。
マスコミ・新聞・有識者・政府の発言も、今の日米のそれとあまり
変わっていない点も苦笑してしまう。
この本を読めば、安易に
「今こそが底値です!」とは言いにくくなるでしょう。
歴史だけでなく経験で行動を決める危険さ
愚者は経験に学ぶ、賢者は歴史に学ぶ
と言いますが、まさに本書は、前者になりがちな人たちに「歴史」を教えてくれます。
歯車が一度、逆回転すると、なにをやってもうまくいかないこと。ただし、なにもしないことはもっといけないのですが。
今回の大暴落でも、本書に書かれているように、ときどき「ああ、もう暴落は終わった。今が底だ」ということ繰り返されています。
なにより驚いたのは、1929年の大暴落から反転したのは、教科書的にはニューディール政策とされていますが、実はそれが本当に効いたのかどうかは謎で、あくまで好転したのは、日本との開戦だったという点です。
今回の危機に際して欧米は、1929年の大暴落の歴史から学ぼうとしているのは明らかです。(経済に得意なはずの日本の某トップ政治家は「10年前の日本の経験を学べ」と、歴史ではなく経験を学ばせようとしている典型的な愚者ですが笑)
すると、想像しないといけないのは、景気回復としての戦争への道です。
そうした恐ろしい未来に警鐘を鳴らす意味でも本書は多くの人に読んでほしいです。
現在の不況との共通点,相違点がよくわかる
現在のアメリカ経済の状況は 1929 年ごろの状況に似ているといわれる.1929 年にニューヨークで株価が暴落し,大恐慌につながったということはよく知られているが,それがどのようにおこったのかはあまり知られていない.この本はそれを時間にそって追い,なにがまちがっていたためにどうなったのかを検証しようとしている.
不動産の問題が最初におこった点では現在の不況と似ているが,このときはそれは 1928 年までには収束し,その後,レバレッジをきかせた投資信託の過熱がおこっている.現在の不況とはさまざまなちがいがあるので,この本を読んだからといって現在の不況にどう対処すればよいかがわかるとはいえないだろう.とくに,どうすれば恐慌をふせぐことができるかが最大の関心事だが,この本には「大恐慌の原因は,いまだにはっきりしていない」とある.しかし,それでも状況を比較してみる価値はあるだろう.
ひとつ興味をひいたちがいは,当時はコンピュータがなかったので,取引量がふえると処理がまにあわず,速報が何時間もおくれて人々の不安をかりたてる,また取引じたいもまちがいがふえるということだ.現在ではコンピュータのおかげで状況がすぐにわかるので,すくなくとも株価に関してはまちがいやデマにふりまわされなくなったのは,おおきなちがいだろう.
時機を得た再版開始、いま読むべきベスト経済書
名著「不確実性の時代」で知られる経済学者ガルブレイスが、世界大恐慌のさきがけとなった1929年の株の大暴落を、淡々とした事実の積み重ねで表象。
著者本人が当時を目撃している点が、重みを与えている。
聞くと見るとじゃ大違い、そんなところだろうか。
今、この本を開く方の多くは、現下の金融危機とその未来に思いをはせていることだろう。歴史は記録かもしれないが、歴史から知ることも多い。本書読み終えて本当にそう思う。
まさに、時機を得た再版開始、いま読むべきベスト経済書だと思う。
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