ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

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ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

Amazon価格:¥ 2,039 (定価:\ 2039)

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ジェームズ・C. コリンズ | 日経BP社 | 1995-09


14点:¥ 1,120より 詳細


総合評価:星4つ

星5つ 経営を考える人にとって必読の書
真に卓越した企業が共通して持つ経営要素とは何か−−この問いを、膨大な調査に基づいて抽出した労作。

この本では、真に卓越した企業のことを「ビジョナリー・カンパニー」と呼んでいる。一般的に「優良企業」と評価されている一流企業の中でも、とりわけ評価の高い企業を「ビジョナリー・カンパニー」として選び出し、その他の優良企業と比較するのである。

例えばGE、IBM、ソニーなどは「ビジョナリー・カンパニー」であり、GM、ウェスティングハウス、ケンウッドなどは普通の「優良企業」として比較対象にされる。比較分析を通して、優良企業について一般的に語られる12の「神話」(例えば、成功企業にはカリスマ的指導者が必要である、など)を否定し、ビジョナリーカンパニーの要件を指摘している。

この本は、多くの点で素晴らしいと思う。
・豊富な情報収集と深い調査
・鋭い事例分析
・示唆に溢れる結論、明確な主張
・各章で抑えるべきポイントが、読みやすく枠で囲まれていること
・慎重で透明な調査設計
・使用したデータや出典が親切に提示されていること
などである。


ところで、この本の日本版とも言えるのが新原浩朗による『日本の優秀企業研究:企業経営の原点・6つの条件』(日本経済新聞社、2003)である。
これも『ビジョナリー・カンパニー』に劣らず、とても素晴らしい本であり、当然かも知れないが、内容が重なる部分が大きい。
私の印象では、『日本の優秀企業研究』は、優秀企業の条件が6つに絞られていて、明確で記憶に残りやすい一方、分析プロセスがあまり透明でなく、「著者が多くの経営者との対話や調査からずばり見抜いたもの」という感じを受ける。
その点、『ビジョナリー・カンパニー』は手続きが透明で、結果を導く証拠も丁寧に解説されているが、やや冗長で、もう少しコンパクトにポイントを絞ってもらっても良かったかも知れないという印象がある。
いずれにせよ、併せて読むととても有意義と思う。


星5つ 永続して発展する組織に共通する特徴とは

本書は各業界において長年に亘って最も成功して、かつ尊敬されている会社を18社選んで(その会社を本書ではvisionary companyと読んでいる)、同じ業界のvisionary companyには至らないライバル会社と比較することにより、永続して発展し続ける組織に共通する特徴を表すことに成功した労作である。

調査の対象となったvisionary companyは内17社が北米の企業であり地域的な偏りはあるものの(唯一の例外はSony)、緻密かつ広範囲に亘る調査に基づく分析結果には納得性がある。

結論を簡単に言うとvisionary companyにおいては、バックボーンとなるcore ideology(企業の存在意義・価値観)を頑なに持ち続ける一方で、そのcore ideologyの範囲内においては絶え間ない改革と時には無謀といえる大胆な挑戦(BHAG)を行うことが従業員に求められる仕掛けが設けられている組織ということだと思う。

この観点から自分が今働いている会社を振り返ってみると残念ながらcore ideologyというものが希薄になっており、利益や成長だけが目標となっており、それがために従業員にとって働き甲斐のある組織にはなっていないと考えさせられた。

但し、それは現在のGlobal企業を見ても同様の傾向が見受けられると思う。近年の特に欧米企業の状況を見ると、ファンドなどの大株主は企業を単にキャッシュフローを生み出す道具としてしか見ておらず、将来の発展を犠牲にして現在のリターンを得ようとする行動様式が一般化している気がする。このような企業は中長期的には活力が衰え競争力を失っていくのであろうと、本書を読んで感じた。

では、その認識を基に自分は今所属している会社・組織において、何ができるかということになるわけだが、大変ではあるもののまずは自分の所属する部署のcore ideologyを改めて考えてみることから始めてみたいと思った。


星5つ 経営学の先入観を覆した名著
文句なし、素晴らしい名著だ。本書はビジョナリー・カンパニーについての研究書である。ビジョナリー・カンパニーとは、「先見の明のある」会社のこと。単に利益を上げている会社ではない。長きに渡り業界をリードし、革新をもたらす会社であり、同業他社からも多くの尊敬を集めるような会社のことだ。ビジョナリー・カンパニーは、どんな特質を持っているのか。それを同じように出発した、同じくらいの歴史を持つ他の企業と比較し、あぶり出していく。

膨大な資料に基づいた議論。しかも慎重である。例えば、例として挙げられるビジョナリー・カンパニーは、様々な経営者にアンケートを取った結果である。その手法について、慎重な正当化を行う。また、ビジョナリー・カンパニーのある特質を述べるに際しても、比較対象と比べて慎重に浮かび上がらせる。さらにその結果が絶対ではないことに注意を促す。信頼の置ける議論である。

ビジョナリー・カンパニーの研究を通して、本書は「いい会社」に対するありがちな先入観を次々と壊していく。例えば、いい会社はカリスマ的なリーダーに率いられている、何よりも利益を出すことを目指している、誰にとっても働きやすい環境である、等々である。これらを覆していく過程は鮮やかであり、爽快感すら覚える。

本書が注意するように、この本はビジョナリー・カンパニーの作り方を教えるものではない。実際、読み進むにつれ、その困難さが実感される。しかし本書が明らかにするビジョナリー・カンパニーの特質は、どんな企業を観察する際にも役に立つだろう。会社の組織力の重要さ、変化をおそれないこと、基本理念を固持することの必要性、内部で人材を育成して事業を継承していくこと。

本書は、「いい会社とは何か」という疑問に対して、明確な一つの視点を与えてくれる。その疑問を持つ人なら全員が読むべき、不朽の名著である。


星5つ 個人にも落としこめる成功への法則
 ビジョナリー・カンパニーになるために「基本理念」を維持し、進歩を促す事は
不可欠な要素であるといいます。基本理念とは組織の土台となって企業の可能性
と方向性を理念の沿うものに制限するものといいます。少なくともビジョナリー・
カンパニーになりたいのであれば、基本理念だけは変えてはならないといっています。
ここだけを読むとずいぶんと保守的な印象を受けます。しかしながら基本理念は、
文化、戦略、戦術、計画、方針などの基本理念でない慣行とよく混同されます。
これらは基本理念ではないので時間の経過とともに変化していきます。むしろ著者は
基本理念以外はすべてを変えてもかまわないというメッセージを発しています。
つまり、基本理念さえしっかりしていれば、どんな困難な場面においても柔軟に
迷わず判断する事ができ、大胆な変革も可能であるということだそうです。

 このことは個人の生き方にも落とし込むことができる考え方と思いました。
つまり、自分の根本的欲求、仕事をする意味などといった基本理念がしっかりし
ていれば、困難時の道標になりますし、時代の変化にも柔軟に対処できるのでは
ないでしょうか。何せ基本理念以外のすべてを変える必要に迫られても自分を
見失わないのですから。逆に基本理念が確立していないと変化の激しい世の中で
どこに軸足をおいて判断すればいいのか分からなくなり、間違った判断をしてし
まう様に思います。

 本書を読んで思ったのは、まず自分自身は何のために生きているのか、人生に
何を求めているのかを問い直す事なのでしょう。それに気がつけば(著者は、基
本理念とは内にあり見つけるものだといっています)今以上に進歩を自ら促す事
ができるのでは、という事でした。


星5つ 永続的に成長する企業の実態に迫る、。
1980年代爆発的な人気を博したトム・ピーターズ氏のエクセレントカンパニーから約二十年、
その間にはかつてサクセスモデルを築いたであろう企業が瞬く間に倒産や吸収合併されていきました、
光が当たれば影ができる・・ずーーっと順風万班にはいかないのが世の常、失礼ですがそこがおもしろいところでもあったりします、
本書は再度別の視点で成長し続ける企業の実態に迫っていくわけですが、正直目からうろこ的な表現は見受けられない、逆にそこがヒントというかキーであったりするわけです。
タイトル的にはこちらが1なのですが、2の方が本書の前段階の説明になってますので、初見の方は気をつけられたほうが良いかもしれません。
本書の表現に螺旋を描いてあがっていくイメージがあり、そこが妙にもやが晴れたかんじがしました。
何度も読み返せる貴重な一冊。


星5つ
???企業の使命として株主への利益還元がさけばれて久しい。しかし、ジョンソン・エンド・ジョンソンのように企業が奉仕する優先順位として1に顧客、2に社員、3に地域社会、最後にようやく株主という基本理念を掲げる企業がアメリカの経営者から尊敬を集めているのも事実だ。

???本書は、アメリカの主要企業のCEOから採ったアンケートによって選び出された18社の歴史に対する6年間の調査から生み出されたレポート。企業を組織する人間が企業内に活力を生み出すのは、カネでは計れない動機づけにあるというシンプルな「真理」が、ライバル企業と比較された各社の資料、エピソードから浮き彫りにされる。著者の1人であるコリンズはコンサルティングも手がける大学教授であるためか、随所に抽象化された概念と企業が取るべき方策が図を合わせて示される。しかし、経営指南よりも、世界を代表する大企業の決断の歴史が斜め読みできる魅力の方が大きいだろう。(青木 明)




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