365日のベッドタイム・ストーリー―世界の童話・神話・おとぎ話から現代のちょっと変わったお話まで
365日のベッドタイム・ストーリー―世界の童話・神話・おとぎ話から現代のちょっと変わったお話まで
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クリスティーヌ アリソン | 飛鳥新社 | 2005-11

| 大人も楽しめます
イソップのような短くて単純な(理解しやすい)お話も
たくさん入っていますが、中には深い知恵を
含んだ寓話もあるようです。
私の気にいった中から一つだけ(説教壇のホジャ)をご紹介させていただきます。
トルコにホジャという有名な説教者がいました。
ある日、説教壇から聴衆に向かって「皆さん、これから私の話す話がわかりますか?」と問いました。
年長の信者が「聴く前からわかるはずがない」と言うと、ホジャは「あなたがたが知らないことを私が話しても意味がありません」と言い帰ってしまいました。
彼は次週の説教の前にもまた同じことを問うので、今度は数人が「あなたの語ることは知っています」と答えると彼は「知っていることを話しても意味がありません」と帰ってしまいました。
お話はここまでですが、読み終わって読者の私は
ホジャは何が言いたいのかと今も考えさせられています。
おまけに、「説教壇のホジャ」の別バージョンも
収録されています。(それを読んでも明確な模範回答はなく、
読んだ人に自由に考えることができます)
ただし、あまりにも有名な童話ものっているため、
パスしてしまったお話もあります。
ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界 (ちくま文庫)
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| 世界に誇れる研究
別件で調査中にたまたま手に入れることになった一冊。
しかしながら読み出したら夢中になってしまったことを白状する。
「ハーメルンの笛吹き男」は、実際にあった子供たちの集団失踪事件がモデルにあるという意味で、他の童話とは一線を画すムードが高い。
そのせいか、かれこれ400年ほど、この話に絞った研究がどっさりあるのだ。
本書は、そういった研究を概観することができるうえ、ドイツの古文書を徹底的にあさった経験とスキルを持つ著者による考察がついており、非常に優れた内容である。
本当に面白いので、この話に興味があるならば必読というだけでなく、読み物としても推奨したい。
神話と日本人の心
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| 中空構造と中心統合構造の両輪
本書は日本人の心を解明するために、その源泉である古事記を心理学的に解釈する。
アマテラスの引きこもりをイニシエーションとして捉える。アメノウズメ、サルタヒコとの
関連はとても興味深く読めた。また、スサノオのイニシエーションも説く。それに成功した
スサノオがアマテラスの座を奪うことはなく、戦いによって得た剣を献上する。
このふたりの神の関係性が日本人の心の源泉となっている。多神教であり、ゆりもどしを
そなえたバランス性。問題は捨てられたヒルコの存在である。
とても面白いのは、バブル経済についての心理学的な記述。エゴ・インフレーションか。
バブルは崩壊し、デフレへ。エゴ・デフレーションか。ひきこりか。
いまの日本人はこのイニシエートを成功させることはできるのだろうか。
新自由主義に飛びつき、経済は回復したかに見えた。しかし、われわれは格差社会を
もたらした。これは成功だろうか。
河合氏のいうように、中心統合構造は必要であろう。しかし、ことはそう簡単ではないよう
だ。われわれはいま、日本人的な心性を失おうとしてはいないだろうか。アクティング・
アウトになってしまってはいないだろうか。
日本人の心性を失わず、それを尊重し、なおかつ、新たな自我を形成していくこと。本当に
難しく思える。じっくりと容器のなかで抱えていく必要があるのではないだろうか。
水木しげる 世界の妖怪大百科
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| 眺めているだけでも楽しい
子どもの頃持っていた本。捨ててしまい後悔していましたが、
求めやすい値段で復刊され、感動です。
絵がとってもいい。見ているだけで妖怪世界に
どっぷりと浸ることができます。控えめな説明文が、
かえっていろいろと空想をかき立てさせてくれます。
「見つかったら命を奪われる」なんていうコワーイ妖怪や
日本の座敷童みたいな妖怪、悪魔の力を持ったすごそうな妖怪など
何回見ても飽きません。
子どもの頃は読み飛ばしていた章間の文章ですが
地域ごとの妖怪の特徴が分析してあり、興味深いです。
ドラゴン (Truth In Fantasy)
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| 娯楽としてなら
時代や地域の枠組みを超えたドラゴン解説書。
古くは紀元前の伝承から、新しいものではル=グウィンの「Earthsea」やハリウッド映画「ドラゴンハート」にまで触れている。
各ドラゴンが生まれた時代背景、及び思想背景についての考察はとても面白い。
しかし、間口の広さに反して情報は偏りがち。
西洋に比べてオリエントが弱いし、全体を占める挿絵の比率が高い。
資料や参考書としてはやや不足気味だ。
そういった方面をお求めであれば、「幻獣ドラゴン」をお勧めしたいところ。
心理学者が着目するほど人間の精神面と深い関わりを持つ存在、竜。
その奥深さの一端を本書で感じてみては如何だろうか。
世界の妖精・妖怪事典 (シリーズ・ファンタジー百科)
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ただ、監訳の松村一男さんがあとがきに書いているように、 なんだかんだいっても、今のところこれだけのボリュームの類書は
| 持ってて損はないけど
とても面白い本です。なにせ、3000項目もの幻想的な存在が、
洋の東西を問わず一同に会し、肩を並べているのですから。
数も多いのですから種類も色とりどりで、パックやゴブリンといった
有名な妖精から、ブラジルのエンカンタードたち、ロシアの
チェレミス人(マリ人)の数多くのケレメトなど、日本ではほとんど
知られていないようなマイナーな存在まで網羅されています。
さらにどの項目にもリファレンスがあり、より詳しく知りたいという
読者にも配慮しています。
また、巻末の種類別・地域別索引も参考になります。たとえば
「水」に関する妖精・妖怪を調べようと思っても、200以上あって
逆に困ってしまうほど。
情報が不正確なところも結構多かったりします。これは一人の人間が
世界中のあらゆる文化から項目を集めようとすればどうしても起きて
しまう問題ではあるのですが。たとえば、「カミ」の項目に
「日本の精霊」とあるのはいいんですが、なぜかそれよりも先に
「韓国の精霊」とあり、地理的な混同がおきてます。著者のホーム
グラウンドであるヨーロッパについてはその心配はあまりなさそう
ですから注意すればいいのですし、監訳者のいうとおり、知識の
ある人なら自分で間違いを見つけられるだろうとは思うのですが、
残念なところです。
それともう一つ、図版は多いんですが、どれも出典がありません。
ないですし、この手のものが好きな人には充分価値はあると思います。
怪談・奇談 (講談社学術文庫―小泉八雲名作選集)
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| 名作の数々
すごいです。なにがすごいかって、作品それぞれの格調の高さがです。
大変面白く、読んでいて全く飽きません。
長編小説が苦手な人にはおすすめです。
それと、小泉八雲さんの名前が素敵です。
おすすめします。
日本人なら知っておきたい古代神話 (KAWADE夢新書)
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| 非常にわかりやすい
神話については素人ですが、平易な表現で読みやすかったです。
神話も全体的にわかり、知識が深まりました。
ただし、気になった点が2つあります。
1つは、指示代名詞が多いこと、もう一つは内容が薄いことです。
まず、指示代名詞が多い件ですが「あれ」「これ」「それ」が多く、簡単な国語のテストのようでした。
次に、内容の薄さですが入門書とはいえあまりに浅薄な部分があります。
一般教養として神話を学びたいのであれば問題はありません。
私的には全体的にもう少し突っ込んだ話がほしかったです。
幻獣辞典 (晶文社クラシックス)
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ホルヘ・ルイス ボルヘス | 晶文社 | 1998-12

| 上半身が獅子で下半身が蟻とか
知っている人は知っている。知らない人はまったく知らない。古今東西、世界中の想像上の生き物を蒐集し、まとめた一冊です。原典にまでさかのぼっている調べているところといい、これはまさに「蒐集」と書くにふさわしい。
バハムート、バンシー、バジリスク、ベヒーモス、ケンタウロス、ケルベロス、チェシャ猫、キマイラ、八岐大蛇、エルフ、フェアリー、ノーム、ゴーレム、ハンババ、クジャタ、マンドレイク、ミノタウロス、セイレーン、スフィンクス、饕餮(トウテツ)などなど。
スフィンクスやセイレーン、ケンタウロスのようなわりと知られている(?)怪物たちだけでなく、東洋と西洋の竜のイメージの違いや中国の饕餮(トウテツ)まで触れられているのがすさまじい。ちなみに饕餮(トウテツ)は「大食らい」の意味で、人間の悪徳の化身として戒めるためにも使われるそうです。
新潮選書 世界文学を読みほどく (新潮選書)
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| 小説の読み方を学ぶ
名作とは、誰もが知っているのに誰も呼んだことが無い作品を言う
というジョークがあります。自分にとってはトルストイの「アンナカレニナ」とかプルーストの「失われた時を求めて」というのがそれに当たりますが、とは言え中身を知らないとサスガに後ろめたい。
こういう気持ちをわかる人には要約よりは深く、しかし批評よりは浅く世界文学を紹介している本書は大変身の丈にあった本だと思います。
深みが無い、という批判もあるようですが、自分にとってはソファに寝転がりながら読み飛ばせる本書はなかなか面白かったです。

