ベートーヴェンの生涯 (岩波文庫)
ベートーヴェンの生涯 (岩波文庫)
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| 読み物としては◎、伝記としては△
この本を通してベートーヴェンを見つめると、彼が非常に不幸でストイックであり、善を重んじて七転八起する頑強な人物のように感じられます。
確かに読者を感動させ、強い希望を沸かせてくれる作品です。
しかし、書かれた時代が古いこと、ロラン自身に感情に走っている節があること、ロランが出版にあたって訂正を加えなかったことなどから、ベートーヴェンが誠実に描かれているとは言えません。
例えば、ベートーヴェンが実際持っていたユーモアについての記述がないので、とても暗い印象を持ってしまいます。また、恋愛観についても最近の研究とは食い違っています。
よって、この本を読んで得た知識を鵜呑みにしたり、ベートーヴェンに対する印象をそのまま保持するべきではありません。
勿論、ベートーヴェンを知るためではなく、ただ激励されたいのならこの本があれば十分です。
でも、「できる限り真実を忠実に記してほしい」というベートーヴェンの願いを受け入れたいなら、他の本も多数参考にする方がよいと思います。
ジャン・クリストフ 全4冊
ジャン・クリストフ 全4冊
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| 至高なる感動
読書家をもって任じてきたが、これほど感動させられた本にはかつて出会ったことがない。
西洋の言葉から日本語に訳すのは無理がある。この作品でも訳のギクシャクした文体に当初はかなり抵抗があった。しかし一度そういううわべを透かして作者の言わんとする内容が見えるようになると、もう完全な虜になってしまった。一言一言、一文一文貪るように読み進んだ。主人公を始めとして、忘れ得ない数多くの人物に遭遇させてもらった。もうとにかく感動、その一語に尽きる。
ロマン・ロランは、技巧においてはプルースト等に及ばないかもしれない、しかしこの作家の力は魂自体の驚くべき清冽さにこそある。その飽くことなき理想追求の姿勢にある。
ジャン・クリストフを生涯の友として、彼から力を得て戦う一人となれたことを嬉しく思う。
ジャン・クリストフ 1 改版 (1) (岩波文庫 赤 555-1)
ジャン・クリストフ 1 改版 (1) (岩波文庫 赤 555-1)
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| 時代と戦いし者
あまりにも繊細で情熱的な性格故に,周囲に対して寛容に接することが出来ず,徐々に孤独になってゆく孤高の天才ジャン・クリストフ.
自分の演奏を真剣に聞かない無知で傲慢な聴取に対し練習曲を弾きこう叫ぶ
「君たちにはこれで十分だ」
そのような事を行う彼の演奏会にあるとき人がほとんど入らなかった.だが彼は負けずに言い放つ
「素晴らしい,これで私の演奏が良く響く」
そしてこの彼はこのような言葉で最後を迎える
「他日われは新たなる戦いのためによみがえるであろう」
『いずれの国の人たるを問わず、苦しみ,闘い,ついには勝つべき,あらゆる自由な魂に捧ぐ』
この冒頭の作者の言葉は時代を超える普遍性を秘めたものだろう.

