徳川の夫人たち 上 朝日文庫 よ 1-1
徳川の夫人たち 上 朝日文庫 よ 1-1
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しかし、この「徳川の夫人」はまるで品の良い老女が語りかけるように、大奥絵巻を繰り広げる。少女小説の巧みな書き手であった著者が、猛勉強の末、技と知識を存分に注ぎ込んだ結果ではないだろうか? 永光院が理想の女性に描かれすぎているという批判はあるだろうが、そこはあくまで物語として読むべきである。そして、もし、この物語で、歴史への興味が広がるのであれば、それはまた楽しいことである。春日局や永光院の逸話からから家光がどんな治世をおこなった将軍だったのかとか、当時の衣装風俗など、糸はいくらでも伸びる。 また続編である「続・徳川の夫人たち」は、こちらと比べると後ろに行けば行くほど時代を駆け抜けていく。もし、永光院の知識が若干あるのなら、こちらを先に読むのも一興かもしれない。
| 品の良い老女が語るような大奥の世界
大奥というのは、その成り立ちからとかくドロドロとした世界に描かれがちである(昨今のドラマを観れば一目瞭然)。また女性が観るのもはばかれるようなシーンが少なからずあるのは致し方ないといえばその通りである。
徳川の夫人たち 下 朝日文庫 よ 1-2
徳川の夫人たち 下 朝日文庫 よ 1-2
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| 日本の美
本書を読んで、一番感じたことは日本女性の美しさ。それも人の行動や言葉に一々感動し涙するほどの心をもったすばらしい美しさ。本書はその美しさと聡明さを兼ね備えた三代将軍家光の傍妾であった永光院の生涯を描いた小説です。本書を読みながら思ったことは、このような女性が何故日本からいなくなったのかということです。日本女性といえば「アメリカの会社で働き、イギリス風の家に住み、中国人のコックを雇い、日本人の女性を妻にする。」ことが一番贅沢とされるほど世界でもおしとやかで奥ゆかしいとされていたほどで、日本文化の誇りでもあったはずなのにと・・・。
本書の内容に関しては、慶光院からお万の方、永光院へと移りゆくひとりの女性の生き方とその時代時代での考え方の変化を上手く小説化しており、大変面白く読みすすめることが出来ました。ただし終止永光院お万の方を賛美しすぎているので、最後の方では若干少女漫画チックになってしまっていることが気になります。
花物語〈上〉
花物語〈上〉
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| 麗しい文章
花物語は上と中を読みました。吉屋さんは古典に明るかったのではないかと思わせるような、古典風の麗しい文章で物語は綴られています。長編ではなくて、短編集です。花にまつわる美しい、そして悲しい、乙女の話が収められています。あまり明るい話ではありませんが、こんなにも美しい物語を書かれた著者の精神の輝かしさに、頭が下がります。中原さんの絵も、たいへん可愛らしいです。機会があれば、下も早く読みたいと思っています。

