新訂 徒然草 (岩波文庫)
新訂 徒然草 (岩波文庫)
Amazon価格:¥ 903 (定価:\ 903)
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| 正確な言葉選びが静かに鎮座する。
徒然草の優れた点の一つはその言葉選びの正確さにある。過不足の無い表現は、それをなしえただけで立派な文学作品と呼ぶにふさわしいほどの品格を作品に与える。再読を重ねるに値する魅力を与える。それは正直な面構えをした高潔な文章体である。
そしてそこから兼好は「つれづれなるままに」感じたこと、思ったことを書き綴ってゆくのだが、彼のスタンスはあくまで「私」と言う点を外れない。自分の肉体を外れて発言することは無い。故に、彼がかくかくすべきであると言うときでも、それを読んだわれわれの印象は、何か教条が掲げられたと言うよりも、兼好が私はそう信じる、と言っているように感じられるのである。
卑しい啓蒙・啓発書が読者の不安・驕り・コンプレックスなどを煽りながら、それとなく自分の考え方に靡くように誘導するのに対し、徒然草を読んだとき、我々が向き合うのは正面をきって真顔を崩さない兼好という霊魂である。これを前にして読者は浮ついた表情を正さないでは居れない。この書物が読者を信じて書かれていると言うことに他ならない。
読書の粋はこう言う点にあるのではないか。一読、いや、二読三読をお勧めしたい。
すらすら読める徒然草
すらすら読める徒然草
Amazon価格:¥ 1,785 (定価:\ 1785)
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| おもしろい!
高校時代、古典の授業は退屈でしたが、最近ちょっとしたきっかけで興味を持つようになりました。私のような入門者にとっては、とても読みやすい本です。抹香臭い随筆とばかり思っていたのですが、中野さんの解説で、とても身近に感じるようになりました。本の大きさもちょうどいいし、なにより原文にルビがふってあるのが、うれしいです。早速、音読に挑戦です!
徒然草 1 全訳注 講談社学術文庫 428
徒然草 1 全訳注 講談社学術文庫 428
Amazon価格:¥ 1,050 (定価:\ 1050)
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| 人間の本質とは?
その著作と共に、以下の書き出しはあまりにも有名。
つれづれなるままに、日くらし、硯にむかひて、心にうつりゆくよしなごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。(序段)
敢えて一言で言うならば、本書の内容は「人間論」であろう。人間というものについて、独自の視点から様々な事例を引用しつつ論を展開し、人間の心の本質を探ろうとしており、ひたすら自己を見つめ続ける鴨長明著「方丈記」とは一線を画している。
具体的には、財宝・子供を持つことを否定し、さらには長寿をも否定、清貧と濁富を説き、真の心の友を持つことの難しさゆえに書物を通じて遠い時代の人を友とすることを訴える。また当時では常識?かもしれないが、男尊女卑の傾向が随所に見られ、生きていく上で必要なものとして衣食住以外に「医療」を上げている点などは、長寿の否定と矛盾しているようで興味深い。
細かい内容上の矛盾は見られるものの、人間の理想として仏道に生きることを勧め、人生の「無常」を自覚することの重要性を説いている。
最後に、「住まい」に関して言及している箇所を引用することによって締めたいと思う。
家居のつきづきしく、あらまほしきこそ、仮の宿りとは思へど、興あるものなれ。(第十段)
家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬はいかなる所にも住まる。暑きころわろき住居は、堪へがたき事なり。(第五十五段)
ちなみに、多数出版されている中でも講談社学術文庫から出ている三木紀人による「徒然草」全訳注は、4分冊でボリューム満点だが原文・現代語訳・語釈・解説と内容的に充実しているのでお薦め。

