自然な建築 (岩波新書)
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| 建築の本質をめぐる挑戦
建築素材としてのコンクリートの否定から入っているので、一瞬、安藤忠雄を思い浮かべてしまった。コンクリートがあったからこそ近代建築が成立したが、しかしそのことが建築と環境との齟齬を生み出し、建築は単なる表象としての存在に堕していく。表象であるがゆえにコンクリートの中に偽装をはらみ、また表面にデコラティブなものを貼り付けて、あたかもコンクリートではないような貌をして僕らの前にその姿を現す。
「20世紀には存在と表象とが分裂し、表象をめぐるテクノロジーが肥大した結果、存在(生産)は極端に軽視された。どうあるか、どう作られているかではなく、どう見えるかのみが注目された」。
なるほど…。
「その大地を、その場所を材料として、その場所に適した方法に基づいて建築は生産されなければならない」。
そして隈氏の挑戦は、一方で建築関係法規群をにらみつつ、他方ではすでに失われつつある伝統的な施工と材料の発見、それを現在のテクノロジーと融合させつつ、今という時間へいかに甦らせるか、という苦闘へと引き継がれることになる。
俯瞰からディテールへ、ではなく、ディテールから全体へ。建築に限らず、様々な分野での構築のプロセスは変えていかなければならない時点に来ている気がした。
建築からの反グローバリズム宣言という読み方もできるが、あまりステレオタイプではなく素直に読んでいった方が良いと思った。
新・都市論TOKYO (集英社新書 426B) (集英社新書)
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| 題名通り「都市論」を語りつくす良著
建築界の巨匠と「建築マニア」とでも言うべきジャーナリストの対談を中心に、再開発が行われた都市などについて語られた書籍。
私は建築がなんとなくとは言え大好きな人間であり、「都市論」という所に興味を持って購入したが、
対談本というと何かを二人してこき降ろしているような書籍が多いから、少し不安を感じながら読み進めた。
ところが、本書で語られている内容は、建築家・一般人から見た、客観的な、まさに都市論そのものだ。
再開発された都市はどのような経緯で現在のカタチ・環境となったのか、そこに隠された芸術的な背景、金銭的な背景とは何か、
その結果、都市はTOKYOの中でどのような存在となっているのか。
そうした都市論が、余計な主張や近視眼的な批判など無しに、シンプルに語られている。
建築に興味のある方はもちろん、汐留や丸の内・六本木などにオフィスを構える方。なんとなくビルを好きな方。
そうした、建築に造形の無い方でも様々な楽しみ方が出来る良著である。
ただ、減点すべきは他の方もレビューされている、「地図や写真が無い」点。
ビル名と章末の脚注だけではどのビル・地域の話なのか良く分からない点が不便でした。
奇想遺産〈2〉世界のとんでも建築物語
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