ベーシック 会社法入門 (日経文庫)
ベーシック 会社法入門 (日経文庫)
Amazon価格:¥ 1,050 (定価:\ 1050)
通常24時間以内に発送

| 入門書としてはOK
前半は、仮想ケースを使った具体的な説明がなされていて、さらにフローチャートや
図による解説もあり、「おっ、わかりやすい。」と思わせます。
ただ、中盤以降はいたって普通な入門解説本です。シンプルでやさしいともいえますし、
骨組みばかりでわかりにくいともいえる。序盤以外にはケーススタディもなく、状況が
具体的にイメージできません。要は類書と似たような感じで本書独自の出色した良さはない
かもしれません。あくまで予想ですが、具体的でないので、ビジネスマンさんが実践的に
使える知識も少ないと思います。
先のレヴュアーさんも書かれていますが、図表ももっとあった方がいいと思います。
本書に限りませんが、公開会社と非公開会社の違いや、種類株式の説明は、文章だけでは
(相当頭が良くない限り)初心者には理解できないと思います。
また、入門書といっても、学生や新入社員というよりも、ある程度実務をかじった人を
想定しているように思います。説明なく登場する会社がらみの専門用語が非常に多い
からです。社会経験のない私のような純粋学生にはやや引っかかるかもしれません
(日経文庫ですから当然といえば当然ですが)。
なお、判例百選番号が記されていて、学生を意識しているようですが、以上の内容から
いってあまり成功しているとは思いません。百選をひきながら腰をすえて勉強するなら
神田『会社法』あたりを直接読んでもたいしてかわらないと思います。
というわけで会社法自体の解説は、格別わかりやすくもなければ、十分でもなく、
やや退屈でした。それより導入部分や囲み記事などの周辺情報の方が読み物として
面白かったです。宍戸先生は「法と経済学」の研究者でもあるので、今度はその辺で
一冊書いてほしいかなと思います。
法と経済学―企業関連法のミクロ経済学的考察
法と経済学―企業関連法のミクロ経済学的考察
Amazon価格:¥ 2,520 (定価:\ 2520)
通常24時間以内に発送

| 法と経済学の連関を考究した好著
学問の専門分化が深まると、法と経済という隣接した社会科学の分野間においても「相互乗り入れ」は極めて難しいものがあります。法学者と経済学者が「対話」するにしても、なかなか「共通(共有)する言語」が見当たらないからです。
本書では、「ゲームの理論」を法と経済に応用し、両者に共通する理想のゴールを「コースの定理」に基づく「パレート効率性(パレート効率的な資源配分)」と措定して、「契約」や「組織」「市場」などを論述しています。具体的には、経済学者の常木教授がボールを投げ、法学者の宍戸教授がそのボールを打ち返す、という叙述構成になっていますので、法学あるいは経済学を専攻する者、どちらの側からも取り組みやすくなっています。
特に、経済学の場合、二次元的平面的な図表と数式で「市場理論」を徐々に学んでいきます。しかし、現実の市場は、「社会的に明示的あるいは暗黙的に共有されている法・慣習・伝統・道徳といった一般的ルール」(西部忠『市場像の系譜学』第7章)の規制・拘束を少なからず受けており、経済を見る眼としては、法令規則等の“関与”をも想定した三次元的立体的な市場観(及び経済主体としての企業像)を養う必要があると思います。ミクロ経済学で習う「全知全能の経済人」が机上の産物であるのと同様、国家や歴史の積極的消極的干渉を全く受けない「完全無欠の自由競争市場」なるものも、あまりにも観念的に抽象化された概念だからです。
需要曲線、供給曲線及びそれらの交叉する「場」としての市場は、実態的には法的規整や政府の指示・指導等によって大なり小なり変質・変容していることは事実であり、決して完璧な「黄金のクロス(十字架)」を形作ってはいないと考えます。従って、単純な「市場原理主義(market principle)」に陥らぬためにも、経済と法との連動・連関を考察している本書は必読かと思量する次第です。
M&Aジョイント・ベンチャー (ビジネス法務大系)
M&Aジョイント・ベンチャー (ビジネス法務大系)
Amazon価格:¥ 3,780 (定価:\ 3780)
通常24時間以内に発送
| 日本評論社 | 2006-11

|

