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狼の条件 (双葉文庫―名作シリーズ)

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志賀 公江 | 双葉社 | 2001-06



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氷点 (宙コミック文庫)

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三浦 綾子 | 宙出版 | 2008-12-18



星1つ | 原作の持ち味が全く味わえない失敗作
小説のコミカライズは、原作の雰囲気を損なわず、それでいて原作と同等の感動を呼び起こさなければならないので、それなりに難しいことだとは想像できるつもり。

私は三浦綾子氏の大ファンで、『氷点』はもちろん何度となく読み返した。が、寡聞にしてこれが漫画化されていたとは知らなかった。
『氷点』は、あらためて言うまでもなく、キリスト教信仰に根ざした罪と赦しの物語である。少なくとも、その基本線を崩すと物語自体が成立しなくなる。ある程度の脚色をするにしても、この根幹部分に勝手な解釈を挟むのは許されまい。
その意味では、残念だが本作は、原作の持ち味を上手く再現している印象がまるでない。
なにより、聖書の言葉の扱いが軽々しく、浮ついている。真の意味がまるで理解できていないとしか思えないのだ。
レディコミ特有のウケ狙いのような、単なる不倫愛憎劇に堕してしまっている感じが拭えない。

キャラのデザインも、佐石は、いかにも悪役の典型らしい、締まりのないヨレッとした顔つきだし、村井は、昭和20〜30年代とは思えない長髪の、典型的な女誑し風、と、レディコミにありがちなステレオタイプばかり。夏枝も、前半と後半とで、単に年齢を重ねたというだけでは説明できないほど、顔つきも雰囲気も全く違う。唯一、辰子が、スパッと竹を割ったようなイメージを表現できているかな、という程度。
さらに致命的なのは、ほんの数ページの間で顔貌がまるで別人になる箇所があること。答辞のシーンの陽子が典型で、トーンで大袈裟に陰影を付けた顔とベタ線で描いた顔とが同じ人物に見えない。プロの作画とはとても信じ難い。

時代を超えて読み継がれる大名作に果敢に挑んだことは評価するが、独立したコミック作品としては、無理の多い失敗作、という感想である。


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志賀 公江 | 双葉社 |



星1つ |


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