中井 久夫の検索結果

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臨床瑣談

臨床瑣談

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中井 久夫 | みすず書房 | 2008-08-23



星5つ | 臨床的思考とは
医学については門外漢ですが、著者の長年の臨床的営為から得られた貴重な知見(知恵と云ってもよいでしょう)が詰まった珠玉のような書物です。「「虹は七色」なんかじゃない!」(18頁)、「重症度の高いもの、後遺症の残りやすいもの、まちがうと取り返しがつかない確率の高いものから先に考えるのが臨床的思考である」(158頁)、等々。(後者は、今日正にビジネスの世界にも妥当する至言だと思います。)「まえがき」に記された著者の職業倫理観(苦労してでもすべき修行時代の幅広い基礎知識・技術習得や専門領域外への飽くなき挑戦の重要性)も一読に値するでしょう。今後も再読三読したい一書です。


日時計の影

日時計の影

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中井 久夫 | みすず書房 | 2008-11-15



星5つ | 患者との関係は「あたたかく突き放し、冷たく抱き寄せる」
 臨床に関わる文章にはグイグイと引き込まれます。「患者に告げること、患者に聞くこと」で印象的なのは《発病の時の恐怖に比べれば幻覚や妄想など何ほどのこともない》と統合失調症となった友人から聞いたとか、サリヴァンの言うように患者さんたちは焦り(urgency)の中にあって心の平和 (peace fo mind)を求めているので、常にあせって何をやり始めたがるがすぐに飽きてしまったり、意欲を持ったこと自体を忘れることで周りからの信用が落ちることが多いとか(このため中井先生は、3週間その意欲がもったらやり始めたらどうかと宥めるそうです)、就職に成功するのは患者さんが別の患者さんを紹介するなど"弱いネットワーク"を使った場合に多いとかいうあたり。

 「老年期認知症への対応と生活支援」では、密室の作業を行う外科医が認知症がなった場合、周りが「辞めてください」と言えず、次々と患者が術中死を遂げることがあったとか(ドイツの外科医ザウアーブルッフ)、リウマチの患者さんは統合失調症にも認知症にも罹りにくいとか、道に迷うのに夕暮れ時が多いのは「たそがれ」という言葉が「誰そ、彼は?」という語源を持つゆえんというあたり。

 「生活空間と精神健康」ではチリに次ぐぐらい南北に長い日本では、例えば鹿児島や沖縄に双極II型が多いのに対して東北地区では少ないとか、アルコール症でも高知=九州型と東北型では違うというあたり。


こんなとき私はどうしてきたか (シリーズ ケアをひらく)

こんなとき私はどうしてきたか (シリーズ ケアをひらく)

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中井 久夫 | 医学書院 | 2007-05



星4つ | 中井久夫の講義録
シリーズ ケアをひらく の一冊。ある病院のスタッフを前に著者が行なった講義が元になっている。
看護雑誌に掲載され、さらに追加、構成見直しをおこない単行本化された。語り口は平易で読みやすい。
著者の経験をまじえた話は聞いていてとても興味深い。参考になる。精神科医療の現場の実態が垣間見れました。

章立ては
1.こんなとき私はどう言うか
2.治療的「暴力」抑制論
3.病棟運営についていくつかのヒント
4.「病気の山」を下りる
5.回復とは、治療とは......
となっている。

付章の精神保健いろは歌留多も面白い。
さらに巻末には索引がついている。


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