マネーを生みだす怪物 ―連邦準備制度という壮大な詐欺システム
マネーを生みだす怪物 ―連邦準備制度という壮大な詐欺システム
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エドワード・グリフィン | 草思社 | 2005-10-29

| ★中央銀行の歴史と意義を考えさせてくれる一冊
非常に読み応えのある大作であった。FRS等の中央銀行制度の歴史的背景を遡り、数々の逸話を盛り込んで推理小説のようなタッチで読者を引き込んでいくあたりは、著者の手腕に感心するところ大である。南北戦争の経緯や第一次世界大戦時の独Uボートの暗躍等、学校の世界史で習った時とは異なったドラマチックな興味を惹かれて熱中して読み進んだ。
本題である連邦準備制度に関する著者の廃止論に関しては、必ずしも100%賛成はできないし、それに代わる将来の提案に関しても現実的な観点からは疑問に感じるところも多い。しかし、2008年の世界的金融危機の対策として今後各国で発生する膨大な財政支出(マネーサプライ)が将来の大インフレに向けた潜在的な燃料となり、納税者に大きなツケとなって返ってくるであろうことは、本書を読むとその仕組みが判り易く理解できる分、大いに懸念させられる。無から生み出すマネーサプライは将来のインフレにより納税者の資産の価値を低減させるという紛れもない事実は、本書の中で繰り返し出てくる主要テーマであり、国民はその本質を十分に理解しなければならない。また、本書は過去から現在まで政治・金融をコントロールしてきた少数の上位階層の人間が、何を考え、どう行動してきたか、その舞台裏を覗かせてくれる。彼らの意図は究極的には全体主義的な世界政府の樹立にあるという著者の主張も、その真偽と是非は別にしても個人的には非常に新鮮であった。さらに、本書中で紹介されるアイアンマウンテン報告(1966年の米国シンクタンクの研究)の主張(体制維持を目的とした戦争や戦争代替の脅威必要論)には驚かされるとともに人間の愚かな一面(性:さが)を痛感させられた。この本も今回の新たな発見として別途入手して読んでみたい。
アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界 (中公新書)
アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界 (中公新書)
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| 2008年度の優秀経済書
アダム・スミスの「道徳感情論」によれば、人間の歩む道には二種類の道があるらしい。
「弱い人」が選ぶ「財産への道」と「賢人」が選ぶ「徳への道」である。「弱い人」は、つねに世間の評価を気にする人、称賛を欲し、非難を恐れる人であり、「賢人」は胸中の観察者の評価を重視する人、称賛に値することを欲し、非難に値することを恐れる人である。
「弱い人」は、財産への道を貧困・低い地位から這い上がり、富・高い地位へと昇る。一方、「賢人」は、徳への道を進み、悪徳・愚考を克服し、徳と英知の頂に達する。
「財産への道」を追求すれば、野心が目覚めてくるであろう。しかし、スミスが容認している野心は、「徳への道」を同時に歩む「財産への道」の追求だけである。(厳しい!)
アダム・スミスといえば、「国富論」であり「見えざる手」ということに大方の議論が決まっているようであるが、この「見えざる手」、本書に依れば「道徳感情論」「国富論」にそれぞれ唯一、一回きりしか出てこないようなのだ。
「国富論」は、分業による労働生産性の上昇と資本の蓄積が、国民の豊かさを増進することになるとするが、一般的な「投資」の順序からすれば、農業への投資⇒製造業への投資⇒外国貿易への投資、ということになるが、ヨーロッパが重商主義政策により発展し、その後おかしくあったのは、まず外国貿易に投資し、海外の金・銀略奪合戦に各国が突き進んだからだという見解を示している。(なるほど!)
経済学の「超」古典となったアダム・スミスの「国富論」。大学院等で専門的に研究する者でないと、まず読む機会のない一般読者に対して、実に懇切丁寧に読みやすい日本語で解説してくれている。「道徳感情論」も同様。
本書を読むことにより、2008年秋からの米国発の金融危機を考えると、リーマン・ブラザースをはじめとするインベストバンク等のCEOの行動について、多いに考えさせられるのである。
「経済成長は人間の真の幸福につながるか」という腰巻の言葉に対し、「真の幸福は心が平静であること」とスミスは考えているのだ。
会計法規集
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| 中央経済社 | 2008-09

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