クォーク―素粒子物理はどこまで進んできたか (ブルーバックス)
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| 揺るぎ無き偉大な知性の証明
1981年、つまりこの度のノーベル物理学賞受賞の27年前に、既に本書の第一版にあたる「クォーク―素粒子物理の最前線」が著されています
クォーク―素粒子物理の最前線 (ブルーバックス (B‐480))
本書と「素粒子物理の最前線」を読んで驚く事は、「素粒子物理の最前線」の時から南部氏の素粒子物理の世界に関する解説には揺らぎが無い事です
とうの昔に南部氏はクォークを一般にも理解し得るレベルで世界に紹介されていた事に驚きました
27年前、「素粒子物理の最前線」を手に取りその世界を知る事になった方の興奮はいか程だったのでしょうか
「素粒子物理の最前線」「素粒子物理はどこまで進んできたか」共々、南部氏の知性が常に素粒子物理の最先端を切り拓いて来たという事を私達に証明しています
素粒子物理の軌跡を指し示す記念碑として歴史に輝き続ける名著です
素粒子の宴 新装版
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| 「理論物理屋は如何にアイディアを思いつくのか」が語られる対談集&インタビュー
南部先生(当時57才)とポリツァー先生(当時29才)のざっくばらんな対談(1978年)、および南部先生が半生を語ったインタビュー(1979年)を収めた本の再刊です。南部先生は「対称性の自発的破れ」について、ポリツァー先生は「漸近的自由」について、そのアイディアを思いついた時の状況・経緯を語っているところが面白いです。(但し この面白さが分かるには、やはり素粒子論について少しばかり基礎知識があった方が良いでしょう。まずは「クォーク―素粒子物理はどこまで進んできたか」をお読みになることをオススメします)素粒子論のベテランと新進気鋭の若手がお互いの物理観をぶつける対話は読み応えがあります。「物理学は、秩序だって進歩するものではありません」「本当のパラドックスに直面すれば、そこから本当の進歩が始まる」(南部)、「仕事の大部分は非常に論理的に、システマティックに、慎重に、やるものですが、その重要な部分には、不条理な、ありえないような、想像もつかないような、そんな要素が必ず含まれています。」(ポリツァー)なんて発言を読めるだけで嬉しくなります。(^-^) 生物学者Delbrueckの言葉「科学者が成功する秘訣として、"limited sloppiness"(限定的な"いい加減さ")が必要」と通じる処がありますね。
南部先生がご自身の半生を語る章も、研究者として何をどう考えてこられたかが詳しく書かれていて、興味深く読めました。BCS理論が正しいと分かるまでに約2年費やした末、BCS理論の解釈方法としての「対称性の自発的破れ」を思いついた、と読んで、BCS理論をそこまで深く考えただろうかと小っ恥ずかしくなった次第です。(-_-);;「つきつめて物事を考えないで、あやふやなまま何でも分かった気になってしまうノンキ坊主」(スピンはめぐる)を自覚し、反省した次第です。
大学院素粒子物理〈1〉素粒子の基本的性質
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