相対性理論〈下〉 (ちくま学芸文庫)
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自然現象と心の構造―非因果的連関の原理
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カール・グスタフ・ユング | 海鳴社 | 1976-01

| パウリ入魂のケプラー論が出色
随分以前に読んだが、最近ケストラーのケプラー伝を読んだので再読。
ユングとパウリの論文が収められているが、ユングのものは正直どう
でもいい。素直に読めば本質はオカルトそのものです(検証しえない
事物の背後にある「隠されたもの」を問うという、言葉の本来の意味
でもそうです)。フロイトと襟を分かつ主因となったといわれる方向
性が遺憾なく発揮されています。
パウリの論考にはユングとは少しことなる色合いを感じます。
「科学的理念の展開に対して知識の前科学段階が持つ意義」と述べて
います。パウリ自身、合理性が悉く常識的枠組みを打ち壊していく量
子論の画期を切り開くなかで、多分内なる何かを感じたのではないで
しょうか・・・。ケストラーはケプラーのそうした要因を「固定観念」
と控えめに表現していますが、パウリははっきりと「元型」といいき
っています。パウリ自身が「こう考えざるをえない」と感じたその時
に、そうした自分をギリギリのところで誘導する何かを考えざるをえ
なかったのか?ユングのどちらかというと形而上学的(そう呼ばざる
をえないでしょう)な非因果律原理、元型論に対して、パウリのそれ
が、もっと実感のこもった経験者の趣を感じさせるのは気のせいでし
ょうか・・・ケプラーへのシンパシーみたいなもの。
観察者と観察される系の間の「裂け目」という言い方もしています。
直接は所謂、不確定性のことを指しているのでしょうが、「裂け目」
という比喩に託したのは、たぶんウィトゲンシュタインの「世界の限
界」と同じ認識だと思います。科学的合理性の臨界点、とでもいいま
しょうか。。。
パウリは自分が歩いてきた道をふとふり返って、なにかそこにその軌
跡を創造せしめた理を感じ、同じようにその何かに翻弄された同類
としてのケプラーに強く惹かれたのではないでせうか。そんな気がし
ます。
相対性理論〈上〉 (ちくま学芸文庫)
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| 感動した
当時21歳のPauliが百貨辞典向けに書いた
相対性理論の解説を単行本化したのが本書。
若い人が読めばいい刺激になるだろうし、
少し年食った人が読めばいいあきらめになるだろう。

